2つの新プロジェクトのメディア発表会を実施。同日にレセプションパーティーも開催

豊かな海を次世代に継承するプロジェクトを推進する一般社団法人「Alliance for the Blue(アライアンス・フォー・ザ・ブルー)」(以下AFB)は、2024年7月10日(水)に都内でメディア発表会とレセプションパーティーを実施しました。当日会場を訪れた報道関係者に向けて、海洋環境保全と経済性の両立を目指す「for the Blue(フォー・ザ・ブルー)」をテーマにした2つの新プロジェクトを発表しました。

今回 発表したのは、廃漁網を活用したものづくりを通じて海洋環境の保全に貢献する「Product for the Blue(プロダクト・フォー・ザ・ブルー)」の新商品と、寄付などの支援を通じて藻場の再生を行うことで海洋環境保全に寄与する「Support for the Blue(サポート・フォー・ザ・ブルー)」です。これらのプロジェクトはサステナブルな理念を持つ企業との協働プロジェクトとして推進しており、協働企業であるFUMIKODA、Aww、IIIThreeの代表者らにも発表会にご登壇いただきました。

(写真左から)FUMIKODA(フミコダ)幸田フミ氏、Aww(アウ)石田めぐみ氏、Ⅲ Three(アイスリー)森谷悠以氏、AFB野村浩⼀

「楽しくおしゃれな」海洋保全活動を提案

AFB代表理事の野村浩⼀

メディア発表会では、冒頭でAFBの野村浩一による挨拶と活動内容の紹介が行われ、「ものづくり」「寄付」という2つの手法を通じて、海ゴミ問題の解決と海洋環境保全を推進していることを伝えました。そして、協働企業の代表者らが自社製品や今回の取り組みに関する魅力をアピールしました。報道関係者を前に、楽しさとおしゃれさを損なうことなく、環境に配慮した素材を積極的に採用する自社の海洋保全活動への姿勢を語りました。

FUMIKODAクリエイティブディレクター・幸田フミ氏

協働企業の代表者でまず登壇したのは、環境に配慮したものづくりを続けるバッグブランドFUMIKODAのクリエイティブディレクター・幸田フミ氏です。日常使いできるサステナブルな新製品「MEGAN(ミーガン)」をお披露目しました。ものづくりを通じて海洋環境の保全に貢献する商品「Product for the Blue」として製作されるこのバッグは、廃漁網由来のリサイクル素材を使用しており、同ブランドらしい機能性とデザイン、そして環境に配慮した商品となっています。幸田氏は「海洋環境問題を広く知っていただき、循環型社会の実現に貢献したい」という思いを述べました。

(写真左)オーシャンブラック×オフホワイト 2024年 8月2日 17:00まで予約注文
  特別価格 ¥39,600(税込)販売ページ

「MEGAN」に採用した廃漁網由来の高品質ナイロン生地は、Alliance for the Blueの協働企業リファインバース、モリトアパレルとの協働で製作された、軽量ながらも高い耐久性を誇ります。デザイン面ではFUMIKODAの特徴的なオリジナルモノグラムにサステナブルな生地を組み合わせることで、これまでとはひと味違うユニークな雰囲気を実現しました。

ハンドル部分には徳島県の放置竹林で伐採された竹を原材料に使用しています。海だけでなく、山も含めた自然環境に配慮したバッグです。また「MEGAN」売上の一部はAFBに寄付され藻場の再生プロジェクトに役立てられるため、このバッグを購入することで、海ゴミ問題の解決と海洋環境保全にも貢献できます。

Aww代表・石田めぐみ氏

続いて登壇したのは、同じくAFBとタッグを組み「Product for the Blue」の製造に取り組む株式会社Movedのトラベルブランド「Aww(アウ)」代表の石田めぐみ氏です。石田氏からブランド立ち上げの経緯や今回の新商品開発の背景を発表しました。

「Aww For the Blue Collection(アウ フォーザブルーコレクション)」のアイテムには、海を想起させるパステルブルーのリサイクル生地が使用されています。

「Aww」は2020年に誕生したトラベルブランドで、「まだ見ぬ自分自身に出会う心トキメク旅」をテーマに掲げています。旅は壮大な自然を体感できる素晴らしい体験である一方で、飛行機の利用や観光地のゴミ問題など環境負荷が高いとも言われています。そのため、ブランド設立当初より「Awwのアイテムとともに旅を楽しむことで、美しい地球を次の世代へつなぐきっかけになることができたら」という思いを抱き、これまでも積極的にサステナブル素材を採用してきたそうです。

今回AFBとの協業により誕生した新コレクション「Aww For the Blue Collection(アウ フォーザブルーコレクション)」には、そんなAwwのもつ理念が込められています。旅と関わりの深い観光地等でも近年問題となっている海洋プラスチック問題に着目し、海ごみ問題の大きな原因のひとつである廃漁網を原料とするリサイクル素材を使用した商品の開発・製造を行いました。

3wayパッカブルマルチランドリーバッグ(35L)8,990円

新コレクションのアイテムとして展開される「3wayパッカブルマルチランドリーバッグ(35L)」は、トートバッグ、バックパック、ワンショルダーの3wayで使えるパッカブルランドリーバッグです。日常で洗濯物などを持ち運ぶ際はもちろん、買い物や旅先でのサブバッグとしても活躍します。開け口はガバッと大きく開くデザインで、布団や枕などが入る容量を備えました。使用しないときは、写真のようにコンパクトに折り畳むことができます。

同コレクションの売上の一部もAFBを通じて「藻場再生プロジェクト」に寄付されるため、商品を手に入れることで、海ゴミ問題の解決と海洋環境保全に貢献できます。

Ⅲ Three代表の森谷悠以氏

最後に登壇した協働企業の代表者は、Ⅲ Three代表の森谷悠以氏です。同社は東京とNYにオフィスを構えるPRエージェンシーであり、自社の取り組みとして海底熟成ワインセラー事業「tlass SEA CELLAR(トラス・シーセラー)」を展開しています。

海底熟成は昨今欧米を中心に注目を集めるワインの熟成方法で、海の温度によって通常の環境下での保管とは熟成スピードが異なるため、たとえ短期間でも長期間熟成させたような深みのある味わいになると言われています。同事業で使用されるワインセラーは、上部に藻場育成プレートを設置したり、漁礁の役割を果たしたりと、海に配慮した設計を実現しています。
今回、海底熟成ワインセラー事業の売上の一部をAFBに寄付することで、藻場再生活動を協働して拡大することに合意し、「Support for the Blue」プロジェクトとして多くの企業に展開することが話されました。

会場には2024年度のファーストエディションとなる商品も展示されました。まだ一般には広まっていない海底熟成されたワインに、報道関係者の方々は興味深い眼差しを向けていました。

海洋保全について意見が交わされたレセプションパーティー

同日夜には、レセプションパーティーを開催しました。会場には、各社のお客様や関係者、「海」や「サステナビリティ」に関心のある人々に集まっていただきました。

昼のメディア発表会と同じく各協働企業の代表者らが登壇し、海洋環境保全活動を促進する今回の2つのプロジェクトについて、実施する意義やその目的を来場者にシェアしました。

会場では6月末に引き上げられたばかりの海底熟成ワインの試飲が実施され、来場した方々は思い思いに海底熟成ワインを満喫されていました。また、海底で熟成させていない状態のワインも用意され、その風味やまろやかさの違いに驚く人が後を絶ちませんでした。

会場には、「tlass SEA CELLAR」の海底熟成ワインセラーから引き揚げられたワインの空きボトルも展示されました。貝など海の生物が付着した状態のボトルは珍しく、顔を寄せて観察する人も多く見受けられました。

レセプションパーティーの終盤には、協働企業の代表者とAFB野村らによるトークセッションも行いました。海由来のサステナブルな素材を用いたプロダクトを新展開するFUMIKODAとAww、海にも配慮した斬新な事業を展開するⅢ Three、そして海の豊かさを守るためにさまざまな企業や組織をつなぐ役割を担うAFBが、それぞれの立場で、未来の海のために私たちができること、やるべきことについてディスカッションしました。

AFBは今後も、今回のような発表会およびレセプションパーティーを通じて、多くの方々に活動の周知を行いながら商品ラインナップの拡大・展開を目指していきます。

海底熟成ワインを楽しむ来場者の様子

■ご登壇いただいた各社概要
【FUMIKODA / 株式会社FUMIKODA】
2016 年設⽴、⽇本製のオリジナル⼈⼯⽪⾰「FUMITEX™」を使⽤して機能性とデザイン性を両⽴ させたビジネスバッグや⼩物アイテムなどをプロデュースするバッグブランド「FUMIKODA」を展開しています。素材、パーツ、縫製のすべてを⽇本製にこだわり、⽇本の職⼈が⼿掛けた伝統⼯芸を積極的に採⽤しながら環境に配慮した丁寧なものづくりを続けていることから、多くのビジネスプロフェッショナルから⽀持されています。アクセサリーラインの売上の⼀部は児童養護施設の⼦どもたちの就労・IT 教育のために寄付する取り組みや、⽣産の際に余った⽣地をアップサイクルし、障がい者⽀援施設でアイテムを製作したり、使⽤済みの⾃社バッグを回収して学⽣に寄付する「リユースプロジェクト」を実施したりするなど、 創業以来SDGsに積極的に取り組んでいます。

企業/ブランドWebsite: https://fumikoda.jp/


【Aww / 株式会社Moved】
2020 年にまだ⾒ぬ⾃分⾃⾝に出会う⼼トキメク旅を提案するトラベルブランド「Aww」を開始しました。スーツケースをはじめと したこだわり抜いたトラベル商品の提供を通じて、既存の枠に囚われない「旅」を中⼼にした新しいライフスタイルを提供します。「Aww」というブランド名は、旅の途中で出会う美しい景⾊や体験に触れたとき、⼼が動かされる瞬間の感情を表現する英語の感嘆詞(スラング)が由来です。サステナブルな旅をサポートする活動の⼀環として、不要となったスーツケースを回収して再利⽤に役⽴てる『Aww Recycle Program』を実施しています。

ブランドWebsite: https://aww-travel.com/
企業Website: http://moved-inc.com/


【tlass SEA CELLAR / 株式会社III Three】
2010 年設⽴、東京を拠点とするPR エージェンシーです。2018 年に奄美⼤島・瀬⼾内町を初訪問し、その後環境資源を起点とした観光など地⽅活性化に係る外部広報に関わる中で、瀬⼾内町が誇る、多様な海洋⽣物を育む豊かな海を最⼤限に引き出した観光拠点が乏しいこと、2020 年に瀬⼾内町と企業連携協定を結ぶ町⽥酒造株式会社と海底熟成のトライアルを行ったことをきっかけに、 新規事業として⽇本で唯⼀海峡を持つ瀬⼾内町の穏やかな海を活⽤した海底熟成ワインセラー事業「tlass SEA CELLAR」と、そのセラーで熟成したワインが飲めるワインバー「tlass SEA CELLAR BAR Beach Club」を創業しました。海洋資源となるブルーカーボンやブルーエコノミーに即し、海の環境保全、地域活性化にも貢献するべく、取り組みを⾏っています。

ブランドWebsite: https://www.tlass-seacellar.com/seacellar
企業Website: https://iii-three.com/


【⼀般社団法⼈ Alliance for the Blue】
世界的に深刻化している海洋プラスチックごみ問題に対して、企業間で連携した対策モデルを創出す ることを狙いとした業界横断のプラットフォームで、公益財団法⼈⽇本財団の⽀援により2020 年1 ⽉に設⽴しました。⽯油化学や⽇⽤品・飲⾷品・包装材メーカー、⼩売り、リサイクル企業など、現在計67 の企業・団体が参画しています。バリューチェーンの上流から下流を網羅した企業が連携することで、企画から流通・製造・消費・処分・再利⽤といった⼀連の各過程で、⼀貫した対策を図ることを狙いとしています。