中でも60%が漁具・漁網が
占めていることに注目しました
環境省の調査によると、海洋プラスチックごみの中で、漁具・漁網が占める割合は60%
一度海に流出するとその分解になんと
800年
環境省の調査によると、海洋プラスチックごみの中で、漁具・漁網が占める割合は60%
一度海に流出するとその分解になんと
800年
一度海に流出した漁具・漁網は、回収が難しく、絡みつくと多くの海洋生物の命を奪ってしまいます。また、少しずつ微細化し、マイクロプラスチックとなって海に拡散すると、海洋生物の摂取や食物連鎖を通じて人間にも影響を及ぼす可能性があります。
使用済みの廃漁網は産業廃棄物として処理する必要がありますが、埋立や焼却が主な処理方法です。漁網は嵩張るので埋立に向かず、また塩分を含むため焼却炉を傷めることが心配され、焼却にも向かず、産業廃棄物処理業者にとっても厄介ものです。
また、一度海に流出した漁具、漁網は、紫外線などで品質が著しく劣化しているので、回収しても高品質な素材にリサイクルすることができません。私たちは、廃棄される漁網を事前に回収することで、海への流出を防ぐことが大切だと考えます。
回収した漁網を分別や洗浄などを経て、原料となる再生ペレットを製造。製糸、織布の各過程を経て、商品になります。Product for the Blueの特長は、環境に良いだけでなく、高品質で使いやすいこと。多くの方に楽しく便利にお使いいただくことで、海洋プラごみの削減に貢献します。
厄介者の廃漁網は、高い技術と想いを持つ各社の協働により、高品質な再生プラスチックになり、そしてそこから糸を引き、布を織り、そして、日曜品メーカーによってさまざまな商品が生み出されます。ゴミが資源に、そして素晴らしい商品に生まれ変わるプロセスをご紹介します。
使⽤済みの廃漁網を素材としても、品質は譲れません。単に環境に良いだけの商品ではなく、品質も機能性も満たした魅⼒的な商品を開発するために挑戦を続ける協働企業とAfBの商品開発ストーリーをご紹介します。
北海道で盛んに行われているサケマス漁。それらに使われる漁網は、1〜2年間使用後、産業廃棄物として埋め立て、焼却処分されています。嵩張る上に、魚の鱗や塩、ごみなどが付着した漁網は、これまでリサイクルには適していないと言われえていましたが、優れた再資源化技術を持つリファインバースグループは、それらを回収し、高品質な再生プラスチックREAMIDE®の開発・製造に成功。Alliance for the Blueの協働プロジェクトとして、REAMIDE®を使用した糸・生地・商品の開発に取り組んできました。
2020年に、住江織物様と生地の試作を実施。その後、モリトアパレル様で生地の量産・多品種化を実現。2021年にこれらを活用した多種多様なバッグシリーズが兵庫県鞄工業組合(豊岡鞄)様の各社で開発され、販売を開始しました。当社との協働で生まれた商品ラインナップをfor the blueシリーズとし、ナイロンのもつ丈夫さと軽さを活かし、さまざまなバッグの製造に活用しています。
日本各地で起きている「磯焼け」と呼ばれる現象によって、岩礁域の藻場が消失しており、それによって浅海域の生態系が支えられていることが問題視されています。この問題を解決するために、「藻場再生プロジェクト」が実施され、海藻の育成や移植によって藻場を復活させるモデルが試行されています。このプロジェクトは奄美大島瀬戸内町で行われており、海中の生物に隠れ場所や産卵場所を提供し、水の浄化や海中に酸素を供給することで、近海の藻場を復活させることを目指しています。
瀬戸内町でも磯焼けが問題となっており、かつて海底に生い茂っていた海藻が減少し、海の生態系に大きな変化が起こっています。その磯焼けの原因の多くは魚による「食害」であることが考えれ、囲い網や仕切り網を設置して食害を防ぎ、海藻が成長するか調査した結果、海藻が順調に成長することが確認されました。今後は、母藻となる藻場を育て、胞子がたくさんつくように投石などで水中環境を整え、多くのエリアに移植する予定です。この取り組みは漁業者とダイバーが協力して行っており、瀬戸内町での実験が順調に進めば、「藻場の再生モデル」として確立し、全国に展開する計画です。海の資源は水産資源としても観光資源としても重要であり、若者たちが共同して自然環境を持続可能にすることを目指しています。
一般社団法人ALLIANCE FOR THE BLUE